2017-01-01(Sun)
智だった
ガラスの扉から部屋に入って来た彼は、私に言った
「確か結婚式場のパーティの司会の人だよね」
「はい」
「あなたのあの時の顔が忘れられなくてさ
ふふふ
おもしろかったなあ」
「本当に驚きましたから」
「そう?ふふふ」
「頭の中、まっ白になりましたよ」
「ふっふっふっ
そうそう
ポカンとして黙っちゃって
ふふふ」
「そんなに笑わないで下さい」
「だってさあ
ほんとに……ふっふっふっ」
本当に楽しそうに笑っていた
そして、ついでにという感じで言った
「飲みに行こうよ」
「え?」
「大野くん、人前でナンパしてるの?」
スタッフに言われても悪びれる様子はない
「かえって健全だろ?
え~っと……名前は?」
「藤堂です」
「藤堂さん、飲みに行こうよ」
「ちょっと考えさせてください」
「なんでよ
別に取って食おうなんて思っちゃいないよ」
「そうですけど……」
「じゃあ後で連絡する
この名刺のアドレスで良いんでしょう?」
私の名刺をサッと取りポケットにしまった
そんな風に飲みに誘われてメールが届き
断る理由が見つからなかったから
数日後、二人だけで会った


ガラスの扉から部屋に入って来た彼は、私に言った
「確か結婚式場のパーティの司会の人だよね」
「はい」
「あなたのあの時の顔が忘れられなくてさ
ふふふ
おもしろかったなあ」
「本当に驚きましたから」
「そう?ふふふ」
「頭の中、まっ白になりましたよ」
「ふっふっふっ
そうそう
ポカンとして黙っちゃって
ふふふ」
「そんなに笑わないで下さい」
「だってさあ
ほんとに……ふっふっふっ」
本当に楽しそうに笑っていた
そして、ついでにという感じで言った
「飲みに行こうよ」
「え?」
「大野くん、人前でナンパしてるの?」
スタッフに言われても悪びれる様子はない
「かえって健全だろ?
え~っと……名前は?」
「藤堂です」
「藤堂さん、飲みに行こうよ」
「ちょっと考えさせてください」
「なんでよ
別に取って食おうなんて思っちゃいないよ」
「そうですけど……」
「じゃあ後で連絡する
この名刺のアドレスで良いんでしょう?」
私の名刺をサッと取りポケットにしまった
そんな風に飲みに誘われてメールが届き
断る理由が見つからなかったから
数日後、二人だけで会った

