気分が良くなってから
やっと四角い空の写真を撮る事ができた

智くんに久しぶりにメールした

（心配させてごめんなさい･･･
あのときちょっと眩暈がしただけだったのに
熱が出ちゃって返信できなかったの。お母さんに頼んじゃった。
びっくりしたでしょう？やっと元に戻れました。治らないんだけどね）

（葵ちゃん　メール嬉しいよ。ありがとう～
ずっと待ってたんだ。また写真をプレゼントし合おうね）

（ありがとう･･･楽しみ･･･
今日はどんなお仕事したの？）

（今日は珍しく休みなんだよ。
家で絵を描いてる）

（本当に描いてるのね･･･ラジオで聞いてます。
いつか見れるのかしら？）

（いつかわからないけど個展をやったら来てよね。
俺も写真送るよ）

6枚の空の写真が届いた

（たくさん撮ったのね～ありがとう綺麗だわ）

（うん･･･葵ちゃんに送りたくて撮ってたから･･･もっとあるよ）

（すごいわ･･･私からは一枚だけだわ･･･もっと送りたい）

（良いよ･･･撮れる時で良いんだからね
今電話しても良い？）

（良いわ。少しなら）



「もしもし･･･葵ちゃん？オレオレ･･･」

「ふふふ･･･オレオレだって･･･智くん　会えなくても会ってるみたいで嬉しい」

「そうだね･･･声だけで顔を知らないって不思議だよ」

「うん不思議･･･」

「今日はどんなお仕事したのかな？」

「今日はね･･･点滴2本とあとは寝てる仕事･･･」

「そうか～痛いところはないの？」

「大丈夫よ･･･お母さんとメールしたのね」

「うん･･･葵ちゃんの言葉を書いてくれて」

「智くんが有名人って知らないの･･･変な事言ってたらごめんなさい」

「言ってないよ･･･大丈夫･･･そろそろ切ろうか？」

「うん･･･少し頭が痛くなっちゃった･･･
いつも途中で切ってごめんなさい」

「良いんだよ･･･俺が電話しようって言い出したんだから
無理させたくないのに声が聞きたくなっちゃって」

「うん･･･じゃあまたメールするね･･･おやすみ」

「まだ早い時間だけどね･･･おやすみ･･･ゆっくり眠るんだよ」

「うん･･･智くん･･･ありがとう･･･あなたが好きです」

「ふふふ･･･嬉しいよ･･･じゃあまたね」

好きだなんて言っちゃったわ
でも電話だけだし
私はもうすぐいなくなるんだから良いわよね･･･

いつもより強めの鎮痛剤をもらって飲んでから眠った




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