深呼吸をした事に気付かれたようだ
「どうしたの?」
「何でもないわ
ふふ……」
「なに?」
「あなたが隣にいることが信じられないなと思って」
「なんでよ」
「ずっと夢の中みたい」
「そうかな」
「うん
そうなのよ」
「じゃあ今度、本当に一緒に夢を見る?」
「どういう事?」
「ねえ……楓さん、こういう質問よくするよね」
「え?」
「説明するのが恥ずかしくなるよ」
「おばさんだから」
「楓さんは、おばさんじゃないよ
素敵な人なんだ」
「でも……」
「また、でも……って言う……
今度言ったらキスするぞ」
「やめて」
「嫌なの?」
「嫌」
「こういう事するのも嫌?」
智くんは、私の肩を抱いて反対の手で私の顔を自分に向けた
「好きだ」
大好きな優しい顔を見つめる
私も好きですと言いたいが、言葉が出てこない
見つめ合って恥ずかしくなって、うつ向いた
「もう!楓さん!好きって言ってよ」
その顔がおかしくて笑いながら彼に抱き付くと
二人でバランスを崩し、智くんを押し倒してしまった
「痛え~」
ごめんなさいと言って起き上がろうとする私を抱き締め離してくれない
「言うまで離さない」
「言うから離して」
「今言って」
優しく抱き締められて顔を胸に埋めたまま言った
「智くんが好きです」
恥ずかしくて顔を上げられず、そのままでいた
「ちょっと……重い……起きれないからどいて」
楽しかった
何歳も若返った気がした
智くんの言葉を信じる事が出来る
これからどうなっていくのかわからなかったが
ついて行きたいと思った
サトシックがたくさん♪



